長編映画で初めてメガホンを取った齊藤工監督作『blank13』の初日舞台挨拶が2月3日にシネマート新宿で開催され、高橋一生、神野三鈴、リリー・フランキー、齊藤監督が登壇。主演を務めた高橋が「ベクトルが一緒なんだと感じることができた」と齊藤監督への絶大な信頼を明かした。
本作は13年間も音信不通だった父親を持つ主人公が、父の葬儀で語られるエピソードを通して、その知られざる姿に触れていく様を描く家族の物語。俳優の斎藤工が、“齊藤工”名義で監督を務めた。
齊藤監督は「監督というのは重厚な響き。偉い人なんじゃないかという感じがしてしまいますが、僕は独創的なセンスや統率力があるわけでもない」と謙遜しつつ、「大好きな人に集まってもらって、幸せでしかなかった」とキャスト陣を見渡して感無量の面持ち。
「今回、お芝居としてわかりやすいことを排除していた」という高橋は、「工さんはそれを信頼して見守ってくださった。それがなによりもうれしかった。とても心強い人がそばにいてくださって、ありがたかった」と齊藤監督に感謝しきり。「作品に対して話し合いをする時間も設けてくださって、“こういう映画が好きなんです”という話もさせてもらった。ベクトルが一緒なんだと感じることができた。こういった形でご一緒できたのは幸せ」と喜びを口にした。
齊藤監督は「ここにいらっしゃる方は、この作品で初めましてでした」と、それぞれのキャストと初タッグとなったそうで、「一方的にだいぶ前から心を動かされて、恋心のようなものを抱いていた方たち。映画を撮る機会なんて最初で最後だろうと思って、どうせなら好きな方たちに声をかけさせていただいた。導いてくれたのは、一生さんをはじめとするキャストの方々」と夢が叶ったキャスティングだったことを明かした。
またこの日は、節分にちなみ「今年こそ招き入れたい福」を発表することに。高橋は白紙の状態のボードを掲げ、「blankです」とニッコリ。「今年こそ招き入れたいって、今までが不幸だったみたいなんで(笑)。いまここに立たせていただいていることが幸福。もう福を招いちゃっている」と説明すると、登壇者陣は「かっこいい…」と惚れ惚れ。
齊藤監督は「必要な人」と回答。「映画は我が子だなという特別な思いがある。必要な人に届いたらなによりです」と“我が子”の旅立ちに万感の思いを込めていた。
(Movie Walker・取材・文/成田 おり枝)
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