2014年に公開され多くの映画賞に輝いた『百円の恋』の武正晴監督と脚本家・足立紳のコンビが再びタッグを組む『きばいやんせ!私』の製作発表記者会見が5日、都内で行われ夏帆、太賀、榎木孝明、愛華みれ、そして武と足立、嶋田豪プロデューサーが出席した。
本作は日本本土最南端の町、鹿児島県肝属郡南大隅町を舞台にしたヒューマンコメディ。東京でアナウンサーをしている貴子は祭の取材を命じられ、かつて1年だけ過ごした南大隅町に帰ってくる。将来を見失いやる気も失っていた彼女は、そこで地元を盛り上げようと全力で祭に取り組む人々の姿に心を打たれるのだ。
「御崎まつりという1300年続いてきた祭をテーマに、現代と過去のつながりや人間通しの絆を描いていきます」と語る武は、本作への意気込みを訊ねられると「自分の父が鹿児島出身なので縁を感じている。すばらしいキャストとシナリオが融合して、いい化学反応が起きてくれるのでは」と期待を寄せた。
主人公の貴子を演じる夏帆はアナウンサー役に挑むということで、その喋り方や佇まいを同年代のアナウンサーから話を聞いて役作りに取り組んでいることを明かし「鹿児島の本土に行くのは初めて。時間があるかわかりませんが、知らない町を堪能していきたいです」と、長期の鹿児島ロケに目を輝かせた。
そんな夏帆と同じ事務所に所属し、旧知の間柄でもある太賀は初めての共演に「素敵な女優さんだということは知っているので、一緒に映画を作れることが幸せです」とコメント。そして「人と人とのあり方を、太郎という役を通して表現できればいいなと考えてます」とつづけた。
また、本作で脇をかためる榎木と愛華は、2人とも鹿児島県出身。榎木は「町長役をできるぐらいの歳になったので、楽しみながら演じたい」とコメントし「ネイティブの鹿児島弁で、現場でお二人(夏帆と太賀)の指導に入ると思います」とにこやかにコメント。
そして作品の舞台となる南大隅町出身でもある愛華は「自分の生まれた町で映画ができるなんて!」と喜びをあらわにし「僻地に近い南大隅町、たどり着くまでにみんながうんざりするほど遠いんです。なので『いいんだろうかこの町で!』と思って心配しています」と会場の笑いを誘った。
ちなみに「きばいやんせ」とは鹿児島弁で「頑張りなさい」という意味。本作は3月2日(金)にクランクイン予定で、およそ1か月にわたり南大隅町と鹿児島市を中心に撮影。公開は2019年春を予定している。(Movie Walker・取材・文/久保田和馬)
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